前回は【液体式ディーゼル機関車】の最初の成功例を挙げた独逸DLを取り上げました。
今回は【液体式】より古くから世界的規模で普及した【電気式ディーゼル機関車】デス!

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発電装置と走行制御装置が同居!確立した安定のシステムで世界に君臨する【電気式ディーゼル機関車】♡

第1次大戦以降、高速艇や潜水艦への1000馬力程度の船舶用エンジンの開発が加速した欧州。その内燃機関を鉄道車両の動力源にした非電化機関車が模索されました。
内燃機関は回転数に関わらず発生トルクはほぼ一定。これを発進から加速域までトルクを変化させて走行する鉄道車両に合致させることが最大の難点でした。そこでトルク変化の制御が容易で実績を積んでいる電気モーター@走行システムを組み合わせた【電気式】の採用が安定確実な流れでした。そして1924年、潜水艦のエンジンを搭載した初の【電気式@大型機関車】がロシアにて開発
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1950年代に独逸にて液体式トルクコンバーターを使用した【液体式】が登場します。
しかし、大型・高出力の内燃機機関車は【電気式】が圧巻!
長大な編成を巨大パワーで乗り切るアメリカの鉄道に【電気式ディーゼル機関車】がハマり役でした!
アメリカの機関車といえば運転台の無いブースター機!総括制御の得意な【電気式】ならではの産物ですよね。
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1954年登場のEMD・E9@は2400馬力。ドックノーズ♡アメリカン機関車。
その後、外見も心臓も進化を続け6600馬力@8軸駆動の化け物まで登場!
広大な大陸を長大な編成で走りきるには強大なパワーが必要!これぞアメリカン♡でした♪



欧州では電化路線の発達が早かったので高出力な本線用ディーゼル機関車の需要は低く、亜幹線に残っていた蒸機淘汰を目的とした中型ディーゼル機関車の開発が盛んでした。
欧州でも奇抜な発想が楽しいフランス機にスポットを当ててみましょう♪
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【フランス機@BB67000】
1963年フランス国鉄の無煙化に多大なる功績を示した汎用中型機。
1440kW(2000馬力)エンジンx1基。各軸ごとに原動機を架装。 軸配置Bo'Bo'。
キョトン顔で左右非対称の意匠。
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旅客列車暖房用ボイラー(SG装置)は非搭載。しばらくして1967年に、旅客車両へのサービス電源(EG装置)を搭載した【BB67300】が登場。その後、基本番台にもEG装置が追加搭載され改番!【BB67000】はほぼ壊滅に。。。


【A1A-A1A 68000】 
1963年【BB67000】と同時に登場。
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『A1A-A1Aとはなんぞ???』
フランス機関車の形式名は【軸配置】から始まります。
見ての通りの3軸台車ですが・・・中間軸は従軸で動力は伝わっていません。
両端の駆動軸に従軸が挟まれているので(C)では無く(A1A)なのです。
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JNR@飯田線で使用されていたED18も同じ(A1A)ですよね。
コチラは線路規格の低い飯田線で使用するため軸数を増やし軸重軽減したのでした。
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一方フランス機【A1A-A1A 68000】は【BB67000】に旅客列車牽引のためのSG搭載。エンジン出力も1660kW(2230馬力)へアップ!増えた車体重量を中間従軸にて軽減。しかも見た目もアヤシイ! 軸重可変機能も付加されています。 
つまり【A1A-A1A 68000】は『旅客用蒸機淘汰用の刺客』だったのでした。
どぉりで【BB67000】にSG搭載しなかったわけですな!



【SNCF@CC72000】1967年より幹線用ディーゼル機関車として登場。
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ゲンコツスタイル(nez cassés【壊れた鼻】)の機関車群は、ディーゼル機・電機共に極力同一機器を搭載する独特なSNCFのシステムを踏襲しています。
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小鼻の部分はコレら電機と共通で互換性アリとのこと。DLとELで小鼻だけスワップする機会はナイと思うがw
驚くべきは外装では無く、DLとELの間に
駆動系の互換性があるってコト!
【CC72000】の3軸台車は【CC6500@直流電機】と互換性のある構造をしています。
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台車枠架装とはいえ巨大な原動機がボデイー内まで入り込む先祖返り的外見に驚愕です!
しかし、同一台車内の3軸が同期駆動するので空転復帰が容易!原動機が1基だけなので軸重軽量化の恩恵も!! 原動機がボディー内に位置するので防塵・防水対策は簡略化か!? 

そして、この巨大電動機を回す電力を生み出す2650kW(3500馬力)V16エンジン!
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なかなかの巨体っぷりなエンジンだったみたいですね~
台車上の巨大原動機は思いのほか車内へ出っ張らないよぉです。。。
で、小鼻はFRP製で、、、くじかれてしまいました。。。



でわ我が国の【電気式ディーゼル機関車】へ目を向けてみましょう。
【DF50】
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代表格は【DF50】ですかねぇ~ DD50と人気2分かと思いますが、、、やっぱF級に軍配がw
1957年に登場したJNRの【電気式ディーゼル機関車】です。
欧州と違い『1000~2000馬力程度の船舶用エンジン開発』は燃料問題もあって消極的だった日本。。。線路規格が貧弱な日本では搭載できる高出力エンジンは望むべくも無く・・・F級機関車ながら出力は700kW弱(1000馬力弱)とC57程度でした。。。



【DF200】
DF50@電気式から35年。。。国鉄-JRのディーゼル機として11年ぶりの新製機♪
1350kW(1800馬力)V12エンジンx2基・3600馬力の心臓部!
軸配置Bo'Bo'Bo'のF級機関車@定格出力1920kW(2600馬力)!!
、、、オイオイDF50の2.5倍以上かよ。。。科学の進歩に感涙です♪
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スカート@色違いで印象もガラリと変わりますねぇ~。この色違いのワケは・・・
【赤色スカート@MTU製エンジン搭載機】【灰色スカート@コマツ製エンジン搭載機】
赤スカートは【0番台】。灰色スカートは【50番台】【IGBT-VVVFに変更した100番台】【100番台に防音強化を施して改番した200番台】となります。
ちなみにMTU製エンジンは苗穂工場@札幌で検査。コマツ製エンジンは愛知機関区@名古屋(もと稲沢機関区)で検査するのでコンテナ積みして輸送するそぉな。。。スカートの色違いは『エンジンの取違い防止』ってワケぢゃないと思うけど、、、有事の際は国産or舶来が一目でわかった方が即対応できるって感じなのかな?
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【DF200】の進出で北海道内のDD51運用は消滅。
この足跡の始祖@DF200 901号機は2023年度で除籍。この撮影会にて終止符が打たれました。

さらに『すぺしゃる』な【7000番台@7000号機】が存在します。
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JR九州サンが運用してる『すぺしゃる』ななな列車w専用機です。
7000番台で7000号機@ななづくし。。。【ななつ星@7シバリ】九州7県由来ですネ。
なんでも長時間停車の際の騒音軽減のために1エンジンカット機能付きだそぉで。。。



【HD300】
【電気式】の申し子『ハイブリット機関車』2010年に降臨!
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自動車のハイブリットというとエンジンの駆動力にモーターがアシストですよね~
でも【HD300】は【電気式】なのでエンジンの出力アシストはできません。。。
この子は【電気式】と【蓄電池式】のハイブリットとなります。
エンジンで発電した電気は走行に用いられますが、同時にバッテリーの蓄電にも利用されます。そして必要に応じてバッテリーから走行モーターにアシスト。減速時は回生エネルギーをバッテリーに回収。そしてバッテリーの電力のみでの走行もできるそぉな。。。
ちなみに、エンジン出力@161kW(220馬力)・定格出力@320kW(435馬力)です。DE10@最大牽引力:191kN に対して DH300@最大牽引力:196kNとなります。ここら辺の力比べはドコを基準にするかで印象が変わりますね~



・・・思えば遠くへ 来たもんだ。。。
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CIWL@オリ'88の牽引機探しはディーゼル機から始まった・・・長き旅路の先。。。
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まさか中華に辿り着くとは・・・w この子も【電気式】な【東風11型・DF11】
3610kW(4900馬力)を誇る巨人機ですってよ! 奥さん!!


以上、【電気式】はワールドワイドなんですね~でした。



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