ÖBBオーストリア連邦鉄道・ちょい古め@電機編に次ぐ第二弾!
蒸気機関車編をお送りします。
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こちらもドイツ型@バージョン展開です。
そこで色差し等でÖBBならでわのツボを押さえたツモリのオイラなのでした・・・。


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ナチス・ドイツに併合される以前のオーストリア蒸機は観音開きの煙室扉をもつ形状がポピュラーでした。

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オリエントエクスプレスも牽引したClass310は1911年製。オーストリアというよりはハプスブルク君主制時代のインペリアル・ロイヤル・オーストリア国営鉄道(kkStB)を代表する蒸機です。
S3/6と同様の4気筒機ですが、別次元の妖しい美しさを醸し出す古典蒸機です。
現在、ウィーン郊外のストラスホーフ鉄道博物館に所蔵されています。

1938年、オーストリアはナチス・ドイツに併合されます。以後、ドイツ制式機がオーストリアにも進出します。BR50・BR52・BR86などが投入されました。18070303
特に第二次大戦の申し子BR52はドイツでは無く、オーストリアで一番多く製造されました。1942~1944年ウィーンのフロリッツドルフ機関車工場では1192両ものBR52が製造されました。 コチラに博物館に所蔵されたBR52とRh52の製造逸話があります。ストラスホーフ鉄道博物館行ってみたいっす(′∀`)
終戦時に700両近くあったBR52は一部をドイツに返還。また一部は他国との交換にも利用されました。
1953年に309両のBR52がÖBBのRh52に分類されました。
その後1974年には120両まで減り、最終的には1976年まで活躍しました。
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現在も保存機が本線上でイベント運転を行っています。
コチラに2000年に運転されたÖBB Nostalgiezugの様子がレポートされています。
美しい画像と羨ましい内容で綴られています。日本ではありえない”スゴイ運転”もあるよw


Rhとは:Reihe・順番が語源のÖBB@鉄道車両の形式を指す略語です。ÖBBは形式をすべて数字で表記し、
〔形式ドット号機〕と連続して表記します。たとえば〔52.1238〕であれば、Rh52の1238号機となります。
ちなみにkkStBからBBÖ時代の蒸気はClass310と表記してるようにClassが使われていました。

BRとは:Baureihen Reihe・直訳だと形式順番が語源のドイツ機の形式を指す略語です。まれに他国の鉄道車両の形式表記にも使われているのを目にします。



さてNゲージモデルの世界ではメジャーメーカーのフライシュマン・ミニトリックス・ロコ等から、ドイツ型蒸機のバージョン展開の格好でモデル化されている状態です。
是非とも冒頭のClass310などの純血オーストリアン蒸機のモデル化が望まれるトコロです。


1947年オーストリア開放後@ÖBBオーストリア連邦鉄道の代表的蒸機といえばRh52。
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戦時設計とはいえ軽軸重などそこそこの性能で使い勝手が良かったため、オーストリア独自の蒸機開発は行わずにRh52を使い続けました。


まずはFLEISCHMAN #715203 ÖBB Rh52〔52.8000〕 Ep3 
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FLEISCHMAN #715203 OBB Rh52〔52.8000〕 Ep3 
2011年末にRh52として新規金型で新発売されただけに、しっかりとオーストリアン蒸機しています。
が、、、なにか物足りない所も散見しています。
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ここが赤くなくっちゃオーストリアン蒸機ぢゃねぇ!ってトコロに色差ししました。
わかるかなぁ?


続いてMiniTRIX #12743 ÖBB Rh52〔52.1238〕 Ep3 
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このモデルは80年代の金型を使ったバリエーションモデルとして2004年に発売されました。
戦時中の姿のBR52@金型を流用してるので、コンプレッサーが防弾箱に入っています。
またフロント周りに時代を感じさせるモデルです。コチラの物足りなさは歴然としてますねw
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さすがに動輪を塗るのは厳しかったのでランボードに赤帯を入れゴマかします。
本来ならボイラーに沿ったハンドレール(手すり)も赤くするべきでしょう。。。
ですが、キレイに赤を入れる自信が無いのでスルーしました(^^;
フロント周りはあまりにも武骨だったので、逆に盛ってマッチョにしてみましたw
スノープロウ・ステップ・スポーク車輪・赤いつかみ棒・カプラーを装着しました。


2両を同時に見てみましょう。
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同じRh52を名乗ってもデフの有無・色差し箇所の違い・テンダーの違いで全く印象が変わりますネ。
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Rh52の特徴の一つに、このバスタブ型テンダーの採用があげられます。
戦時設計ゆえに、テンダー自体をモノコック構造にして省資源化したのでした。


そしてFleischman #715203のキャビン付きテンダーこそオーストリアン@Rh52の真骨頂だと思います。(*・∀-)☆
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パッと見、キモチワル!な形状だよねwでも見れば見るほど惹かれるんですわ(*/∇\*)
しっかしキャビンと炭庫、デカイのぉ。。。機関士は後方見えるんだろか?
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先輩格のBR50@キャビン付きテンダーは後方視界確保の為か細身のキャビンなんだけど・・・Rh52の後方視界@ゼロのよぉな気がするんだけどなぁ。。。


あ!そっか
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だからÖBBはトンボ重連(お尻を向けあった重連)なのか!?
後ろは振り向かない!ポジティブシンキングなのねw

っとソレは冗談ですが、このトンボ重連はRh52にはうってつけな技なのです。
設計の元となったBR50もですが前進・後進共に80km/hまでの走行が許可されています!!
あの急客用蒸機BR01は前進は130km/h出せますが、後進は50km/hまでの許可と縛られています。ただコレについては運転規定での縛りがあるからかもしれませんが・・・
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日本の場合、規定として蒸機の後進は最高速度45km/hに制限されています。
これはテンダー機@後進時の視界が悪い為で、構造上は後進もそれなりの速度は出せるかと思います。
ただし機種による構造上の後進@得手不得手はあります・・・C56がその例で、前進の最高速度は75km/h。後進は後方視界を確保しているテンダー形状なので45km/h以上出してもヨイが、構造上バック運転時に脱線の恐れがあるため55km/h~65km/hの縛りがあったよぉです。
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ただ日本の規定では、速度制限は先頭機関車が後ろ向きの場合の後進時に適用されますが、重連の先頭でない機関車が後ろ向きの場合(つまりトンボ重連)は最高速度45km/h制限で縛られないよぉです。
『構造上バック運転も得意で、トンボ重連なら規定でうるさく言われない♪』それがRh52の強みかと(*・∀-)b



さてココで欧州のお得意な『アリそぉだからモデル化してみたw』なモデルがあります。
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『BR44のバリエーション展開したいんだけどÖBB仕様なんてアリそぉだよね?』
なんでも黒くすりゃÖBBかよ( ゚Д゚)ゴルァっな
Roco #23213 BR44  ÖBB "ohne Wlb"(デフ無し)は1991年発売。 
でも金型は1984年製( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
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オイラが調べた限り、1945年の終戦時にBR44@11両がオーストリアに居たよぉです。
そして1947年にÖBB発足を経て、1952年に9両をDBへ納入したとありました。。。残りの2両は7年間の時間のハザマでワケあって機関車ぢゃなくなってる可能性も・・・
1947年から1952年までの超ピンポイントで微妙な可能性に乗っかったRocoさん。。。今現在の日本@マイクロさんならやりそぉな気もしないではないけどねw
そんなハッキリしない微妙なモデル・RocoのBR44@ÖBB仕様なのでした。



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たった3両しか持ってない割りにネタ的に語れるÖBB蒸機でした。(⌒▽⌒ゞ



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