戦前の名門列車@特別急行『燕』『富士』を牽引した【EF55】直流電気機関車。
戦後復興の象徴@特急『つばめ』『はと』を牽引した【EF58】直流電気機関車。
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両者に共通するのは流線形! 時代を背負う者はカッコが重要なのです♪


日本電気機関車史上、最もカッコ重視の機関車【EF55 直流電気機関車】!
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太平洋戦争直前の1936年(昭11)世界的な流線形(ストリームライナー)ブームの中で生まれた、国鉄(鉄道省)初の流線形電気機関車。日立・日車・川車でそれぞれ1輌ずつ、計3輌が製造されました。

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前位側を流線形。後位側を切妻形状にした、流線形を文字通り前面に出した攻めのデザイン!流線形の美しい姿を具現化するためリベット工法は使わず、当時の先端技術であった電気溶接を駆使して製造!!
世界的規模でのストリームライナーブームに日本として国威を示す事を最重視したよぉですね~。

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流線形主義はハンパ無く、前位側はカバー付き@格納式連結器を採用!
対して後位側は構内入替用運転台と割り切り最低限の設備&空間に切り詰め。デッキの転落防止手スリや前照灯も取付けない徹底っぷり!!(新造当時のハナシね^^;)

上回りが前後非対称なら、足回り@軸配置も2C+C1という前後非対称っぷりです。
※てっぱくでの展示環境的に足回りの画が厳しいので2002年8月の過去画像にて補完☆彡
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もはや片運転台の電気機関車という内容でした。
片運転台電機というコトなら碓氷峠専用電機ED40などの例もあります。が、アレは特殊用途だからねぇ。。。

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運用面では蒸機と同じく転車台が必須!整備面では前位側@連結器が格納式や車体裾のスカート(最下部の銀ライン以下は装飾カバー)が難儀だったりで、、、新製後2年で前位側の連結器を格納式から固定化し常時むき出し状態に変更。後位側は運転台を本線運転用に再整備、前照灯やデッキ転落防止手スリなどが取り付けられました。

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転落防止手スリがあまりにもヤッツケw 
щ(゚д゚щ)カモーンに見えるのはオイラだけかにゃ?w


登場当初は東海道本線@沼津機関区に配置され、名門列車『燕』『富士』を颯爽に牽引(^^♪
蒸機全盛の時代、電機といえば前後に鳥かごの様なデッキ@手スリを付けた武骨な車輌ばかり!?そんな鉄路を流美な流線形フォルム・洗練された滑らかな溶接車体で駆け抜けるEF55♪
たとえ最高速95km/hでは空力的に意味の無い流線形だとしても、国民の目に『日本も世界に追いついた!』と写ったコトでしょう♪それは現場の士気高揚や海外への宣伝にも繋がったのでした!!
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しかし,,,本線用電機が増え、その利便さが浸透してくると蒸機同様EF55の運用・保守の手間が問題視されて来ます。
1952年(昭和27)に高崎第二機関区に転属。やはり運用しにくいことから、1962年(昭37)に3号機が交直流両用の試験電機@ED30形1号機に機器を流用するために廃車。さらに1964年(昭39)2号機が廃車解体。。。1号機は国鉄の教育施設である中央鉄道学園の教材に転用されてしまいます。。。

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しかし、EF55 1号機にはエンターテイナーの神が宿っていたよぉです。
1974年(
昭53)準鉄道記念物に指定されます。中央鉄道学園の閉所後は準鉄道記念物ゆえに高崎第二機関区に返還@静態保存されます。
1985年(昭60)高崎第二機関区の有志@職人たちが、とりあえず構内を自走できるまでに復元!当時のレトロブームに目を付けた国鉄は1号機の本格的活用を画策。
1986年(昭61)大宮工場で動態復元!車籍復帰!! 奇跡の復活を遂げたのでした♪
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1987年4月にJR東日本へ引き継がれたEF55 1号機。

JR発足以降のイベントには欠かせないキャラとなったEF55。そのユーモラスな風貌は【ムーミン】と親しまれました。
しかし、旧型電機ゆえに交換部品の入手が困難になり、旧車を熟知する整備士も希少となってきたため、2009年(平21)1月をもって営業列車から引退。その後は高崎車両センターで静態保存され、車籍を残しつつも走らないイベントには展示公開されたのでした。

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そして2015年(平27)鉄道博物館10周年記念としてEF55 1号機@てっぱく殿堂入り!!
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4月12日、新造から実に79年!満を持して除籍、EF55形は廃型式となりました。

てっぱく入りによって、今まで散々邪険にされてきた前後非対称@流線形が花開くコトに!
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てっぱくのお立ち台@ターンテーブルに新たなスター降臨なのでした♪
蒸機同様、前後がハッキリわかる車輌でなけりゃターンテーブル@回転演舞は締まりませんw

実は初代目演舞車@C57 135号機って1940年生まれ!
EF55 1号機より4歳年下だったりします。。。
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『お局様 降臨!?』ってコトになるのかにゃ?(^^;





トリッキーな流線形だったEF55に対し、身より実を取った流線形スタイルなのが【EF58】
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戦前の花形を目指したEF55に対し、戦後の旅客需要に対応するために生まれたEF58。。。
EF58は戦後の混乱期の爆発的な旅客需要に慌てて造った直流電機。1946年(昭21)から製造開始。
とにかく早く造りたかったので戦前の省線電機由来の設計で、外見も前後にデッキ付きの箱型車体で省線電機そのものでした。慌てて造ったため品質が極めて粗悪だったため目を覆わんばかりの惨状、、、しまいには労組から乗車拒否まで起こる始末・・・
『この電機、どぉにかしなければ・・・』(--;
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戦後混乱期も落ち着き始めた1952年(昭27)に旅客列車用のSG(蒸気発生用ボイラー)を搭載した新製ボディーに載せ換えます。このSG搭載でボディー延長が必要となり、前後デッキを廃止。前面を1950年代の流行りだった2枚窓@湘南顔とした半流線形の新生EF58@ブランニューとなります(^^♪

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初期型の諸問題も解決し、SG搭載の旅客電機としてみると『旧型電機ながら高速運転性能に優れた素晴らしき電機』へと評価が激変!?
1956年(昭31)東海道本線電化の際に青大将となった特急『つばめ』『はと』に合わせ軽快な青大将色を纏った指定機まであらわれました♪ てっぱく@所蔵車89号機も青大将を纏ったことがあります。
東海道本線・山陽本線の中・近距離列車は電車が台頭してきましたが、長距離客車列車はEF58の独断場でした。

極めつけのEF58といえばお召し列車牽引指定機・61号機ですよね!
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新造の段階でお召し列車牽引のための特別装備を有するEF58 61号機。

量産機なのにお召し列車用の特別装備を附加される程の信頼を勝ち取るまでになったEF58。
EF60以降の新型電機には無い貫禄と長い車体から受ける優美なスタイルで、通常運用終了後もイベント列車牽引用などでJR化以降まで残ったEF58は5両。(61・89・122・150・157号機)

JR東日本でジョイフルトレイン牽引で活躍した89号機は【パック】と呼ばれました!
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上越線時代に前面窓上にツララ切り@ヒサシと前面窓@小窓化で表面積が多くなったトコロに茶色一色塗り!61号機ほどの輝きを持たない茶色はいつも汚れているよぉに見えて(^^;
スーパースター@ロクイチ様と同じ関東圏で活躍・同じ茶系カラー着用ぢゃ~ねぇ~比較され霞んぢゃうのは致し方ないかと。。。
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そんなオイラ的@残念君だった【パック】でしたが、てっぱくでの姿はピッカピカに輝いていて素敵でした♪ ただ展示位置と展示方法がちょっと残念。。。照明が綺麗に当たっていないのでピッカピカ感がイマイチ。しかも架線柱などの線路端アクセサリーがちょいとアレな位置にあるので。。。でも生きた光景を演出してもらってるとプラスに考えましょう(^^;






【ちょほいと気になったコト】
前後非対称なEF55の活用法。
お立ち台@ターンテーブルの回転演舞のほかにもこんなベストチョイスな光景を目にしました!
それはミニ運転列車@ムーミン!デフォルメ感がたまらなく良い(^^♪
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ちゃんと後位側のщ(゚д゚щ)カモーン手スリも再現されてますw
従来のミニ運転列車用車輌に比べ天地方向の寸法が高くなってます。
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搭乗する親御さんへの配慮かもしれませんが、車内が高くなった上にパンタ表現まで抜かりなく施工してるところがてっぱくの意地なのかにゃ?
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それ以前の遊具っぽいEF510もどきw




ムーミン
パックの絡めが撮り難いがアレですが、、、
激動の時代が生んだ、それぞれの流線形。そんな視点もてっぱくならではかと!
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以上、流線形というワードでムリクリまとめたムーミンパックなのでした♪