王立バイエルン邦有鉄道で1908年生まれのS3/6は1920年のドイツ国営鉄道統一後も
製造され続け、23年間で総計159両が生産されました。

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DRG時代に輝きを放ったS3/6の系譜をご紹介します。


S3/6はロットや仕様、他の鉄道への同型機などa型からo型まで分類できます。
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※1 第1次大戦の戦後賠償としてフランスに譲渡された号機
※2 第1次大戦の戦後賠償としてベルギーに譲渡された号機
※3 高速列車の牽引用に動輪直径2000mmを採用
※4 プファルツ鉄道向けの同型機
※5 J.A.マッファイ社の経営破綻前に納品できた2両
※6 S3/6@BR18.5の最終ロット
※7 DBによるBR18.5@30両の近代化工事→BR18.6に形式変更
※8 BR18.4の欠番の紹介

ザックリ言うと、ボイラー使用圧力が15気圧が称号規程改正によりBR18.4となりました。
そしてボイラー使用圧力が16気圧がBR18.5となります。


外見的な特徴としてBR18.4はキャブ前部がくさび状に突き出した風切り形をしています。
ただし例外としてd型・e型はBR18.4を名乗りますがキャブは直線的な箱型をしています。
これは「斜に構えた前面窓越し」では高速運転時の目視確認に支障が出るためだとか。。。
そしてd型・e型のみ高速列車牽引目的のため動輪直径2000mmを採用。(ほかのS3/6は動輪直径1870mm)
d型・e型の見分け方は進行方向左側のランボード上にレール方向に置かれた給水暖め器があります。
(ほかのBR18.4・BR18.5は第2動輪と第3動輪の間のランボード下に枕木方向で設置されています)
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その美脚はドイツ国鉄【DRG】の看板列車Rheingold【ラインゴルト】の牽引機にベストマッチでした。


急行列車牽引用の蒸機としてどれだけのスペックだったのか?を比較してみました。
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全長や性能的に見ると日本の蒸機ではC59に近いと思います。
ドイツでは中型機に見える外見も、さすが標準軌の蒸機だけあって日本@大型機並みの大きさです。
全高はBR01より高いですが、これはS3/6の煙突の丈があるからで、キャブ屋根の高さでみると4400mm程度になりBR01と同じくらいかなぁ~な高さになります。ってもデカイよね(^^;
最後のSNCF231Eってのはフランスでワゴン・リFleche d' Or 【フレッシュ・ドール】を牽いていた蒸機です。
Nゲージモデルではそれほどの大きさを感じませんでしたが意外にデカくて強いのね(^^;




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Rheingold運行開始当初のBR18.4・BR18.5はデフレクター(徐煙板)非装備。
カラーリングもバイエルン・グリーンの一色塗りだったよぉです。


1928年から1939年まで運行されたRheingold(1代目)の期間中、1930年あたりからデフレクター付き@黒赤の装いで活躍しました。BR01が牽引するようになるのは1934年以降でした。
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Rheingold牽引機はS3/6d・e型のBR18.4と1924年以降に製造されたBR18.5から好調なカマが選ばれ、
整備を入念に行う特別扱いを受けRheingoldを優先的に牽引していました。

ミニトリックから発売されたコチラの装いはRheingold牽引用に特別整備された機の識別のために煙突に赤白の装飾が施されたというセールスコピーでした。
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MiniTRIX 12312  BR18.5〔18 525〕 Ep2
しかし文献等で『Rheingold牽引用の特別装飾機』という画像は見つけられませんでした。
以前にもに挙げたこの話題についてある程度わかったことがあります。

たしかにRheingold牽引用の特別整備機は存在していました。しかし外見上の特別な装飾はありませんでした。
そして煙突に赤白のラインを入れた装飾機も存在していました。
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1933年にレーゲンスブルクで撮影されたコチラです。どぅやらナチ党の特別装飾だったよぅです。
1933年といえばナチ党がドイツ支配権を掌握した年です。

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1934年に撮影されたとされる18 445にも紅白ラインの装飾が施されています。
18 444と445は動輪直径2.0mのS3/6d型です。
この2両は【オーステンデ・ウィーン急行】での長距離連続運転で高い功績を残していました。
つまりは『自慢の好調蒸機に今をときめくナチ党の装飾を施した』のが元ネタなのでしょう。
カゲノさんのブログにも同じような検索結果が掲載されています。

ではナゼに『Rheingold牽引用の特別装飾機』なんてことにしたのか?
これはお国柄が関係していると思います。
欧州鉄道模型界では度々『ありえたかもしれない微妙なフィクション』を堂々と製品化します。
アーノルトのオーステンデ・ウィーン急行@ツートンカラーなどがソレに当たります。
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1934年【オ-ステンデ・ウィーン急行】を牽く18 457(S3/6e型) どこがツートンぢゃ!屋根だってグレーぢゃねーかw

そしてドイツではナチに関して厳格なタブーが存在しています。
ビジュアル的に目を引く装飾機だけど『ナチ』が係っているとなると正直に製品化できません。

そこで有名なこの出来事に目を付けたのかと思います。
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1970年に復活させたRheingold 1928の先頭を飾る煙突に赤白ラインの装飾を施した保存機18 505。
この出来事からRheingold+赤白ライン装飾でイケるんぢゃね?になったよぅな気がします(^^;
以上がオイラ的な考察結果です。あくまでも考察結果ですからね。。。


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装飾はフィクションでしたが、実機の18 525はRheingold牽引用の特別整備機でした。
モデル的にはキャブ屋根上がちゃんとDRG仕様に作り分けてあり好感が持てます。

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そぉそぉ!BR18.5の見分け方としてキャブの形状があります。BR18.4の風切り形に対して切妻の箱型。
制式機と同様の側窓部から上を内側に倒した【お馴染みのドイツ機なキャブ】形状です。




今までミニトリックスの製品ばかりでしたのでコチラも紹介しましょう。
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Arnold HN2007 BR18.5〔18 535〕 Ep2 
ミニトリックスのボイラーはダイキャストで作られているのに対し、アーノルトのボイラーはプラで作られています。
プラゆえに配管などの造形が賑やかにモールドされています。しかし化粧煙突もプラなのでミニトリックスとは趣が異なります。
最近の日本型Nゲージモデルは時代や仕様の違いなど、各個の差異をことごとく再現していますよね。
そんな細分化された精密モデルに目が慣れている分、欧州型のNゲージモデルのいい加減さが目に付くというか
癒されるというか(^^;
Ep2から現在までのモールドがてんこ盛り状態のボイラーwせっかくプラで作ったんだから細分化すればイイのにってぐらいアバウトな再現なのです。
逆に言えばナンバーさえ変えればどのEpでもいけるよwなんならこのままBR18.6で出してもいいんじゃね?って向こうではやりかねないからコワイです(--;



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Minitrix 12456 BR18.5〔18 528〕 Ep3
アーノルトに対してミニトリックスは『Ep3でその程度のモールドなわけないじゃん!』と突っ込みたくなるシンプルなボイラーなのでしたw 化粧煙突はS3/6が金ピカに対し、黒染めの落ち着いた仕様で似合っています。
ミニトリックスはフロントデッキ周辺の構造物を省略する傾向があるみたいですね~
BR18.5では前端梁の両脇にあるはずの握り棒を省略しています。アーノルドは再現してます。
ミニトリックスの定番として制式機の前照灯を囲む手すりの省略がありますが、あれだけは再現すべきだとチカラ一杯思ってます(ノ`Д´)ノ



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手前がアーノルト〔18 535〕 増炭囲いがちょっとリアリティに欠けます。
奥はミニトリックス〔18 528〕 前も後ろも3灯でEp3の[DB]っぽさを醸し出しています。




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最後に見れば見るほど新たな発見がある素敵な図面を載せてみます♪






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さてさて 長々と語ってきたS3/6の系譜達。
どの子も愛おしいです♪
この先も増えそうな気も・・・S3/6ライフを楽しんでいきたいと思います。







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オイラ的【オ-ステンデ・ウィーン・エクスプレス@最終形態】を牽く『どのEp形態?』なDRGチック@BR18.5の図w