2012年 新年のご挨拶・・・辰年→龍→鰐(わに)っというご都合主義でお送りいたしました(^^;

この大型凸形電機 鰐→クロコダイル オイラ大好きなのです♪

194r
強靱で武骨 彫りの深い頑固そうな外見 なんともドイツっぽい機関車だと思います。


そんなE93とE94について、モデルをもとに紹介してみたいと思います。


【クロコダイルの由来】
〔クロコダイル〕と呼ばれる電機の共通項に車体が3分割されているコトが挙げられます。
ボンネット+機械室+ボンネットと連接され凸型のシルエットをしています。
ボンネットには動軸が固定されモーターが搭載されています。機械室には運転台と制御機器搭載されています。
ボンネット+機械室+ボンネットと連接されているため、曲線通過時は身をよじりながら走行します。その姿から〔クロコダイル〕という愛称で親しまれています。
cr
スイスSBBのCe6/8IIおよびCe6/8IIIが〔クロコダイル〕の代名詞として扱われています。
画の背景に写り込んでいるロッド駆動の大型凸形電機はCe6/8IIIと酷似しているオーストリアÖBBのRh1189です。あの長いボンネットとロッド駆動は見覚えあるかと思います。

車体が3分割されている凸型電機〔クロコダイル〕は以下のような愛称で呼ばれています。
Ce6/8IIおよびCe6/8IIIは〔スイス・クロコダイル〕
Rh1089およびRh1189は〔オーストリアン・クロコダイル〕
E93およびE94、Rh1020は〔ジャーマン・クロコダイル〕
このよぉに出生地で区分されているのは、全長や軸数に差異があるからです。



【ジャーマン・クロコダイルの祖@BR E93】
93g
Minitrix 12918 DRG E93〔E93 02〕Ep2
1933年にドイツ@DRGで採用された重貨物用電機。
定格出力2500kW・軸重19.7t・最高速度70km/h・軸配置 Co'Co'
1933年というと日本では昭和8年。当時の日本@電機の最高出力といえば・・・
EF53・EF10が共に定格出力1350kW・軸重は15t程度!
日本がいかに貧弱な路盤なのかが垣間見れます。


93r
Minitrix 12917 DB E193〔193 004-9〕Ep4 
E93は1968年の称号変更でE193を名乗りました。
DRGからDBを経てEpを重ねるごとに、同じ緑系のカラーでもその彩度は微妙に変化します。
このモデルは1970年代の彩度の低いミリタリー的はグリーンを纏っています。
開発当初、その性能を期待されていましたが!? 想定していたほどの出力は出なかったため18両で生産打ち切り!! 後続機に期待を託すこととなりました。その失態の腹いせかどぉか判りませんがE193になっても旧型パンタを載せられていました。


93gr
モデルは1990年前半の製品なので電球による発光。。。めっちゃ赤味を帯びてるのでテールランプと間違えそうですw



【リベンジの重貨物機@BR E94】
19493
E93で不満足であった性能を克服するために1940年に登場したのがE94です。
E93に対し性能30%増しを目指して設計されました。
定格出力3300kW・車輌重量118.5t・軸重20t・最高速度90km/h

数値だけで日本@電機と比較すると
EF64:定格出力2550kW・車両重量96t・最高速度100km/h
EF66:定格出力3900kW・車両重量100t・最高速度110km/h
出力ではEF64とEF66の中間ほどの強力機ということになります。
EF64で1964年(昭39)登場なので、1940年(昭15)で既にこれほどの強力機がドイツでは闊歩していたことになります。

19493-2
FLEISCHMANN #7394 DB E194〔194 158-2〕Ep4 + Minitrix #12917 DB E193〔193 004-9〕Ep4 
E94とE93の見分け方、E94の機械室@台枠の魚腹台枠が目印です。またE94の車長が実車で約1m長くなっています。
E94は主にドイツ南部、つまりオーストリア辺りの勾配区間で運用されました。
(E94の1号機のトライアル運転は現在のオーストリアとイタリアの国境にあるブレンナー峠で行われました)
第二次大戦終了時までに145両が製造。戦後も生産継続され総計197両製造されました。
DBおよびDR(DRではE254を名乗る)共に1988年まで使用されました。



【オーストリーなジャーマン・クロコダイル!? Rh1020】
第二次大戦終了時にオーストリア内に残されたE94@44両は、そのままオーストリアÖBBのRh1020となりました。
1020rg
左:FLEISCHMANN #739402 ÖBB Rh1020〔1020.43〕Ep3   
右:FLEISCHMANN  #739405 ÖBB Rh1020〔1020.47〕 Ep5 

オーストリア@ÖBBのRh1020となった個体は当初前面3枚窓のまま運用されていました。
1968年から電気ブレーキの設置・前面2枚窓・前照灯&尾灯のボンネット植え付け・ボンネット側面フィルターの改良などを受けました。
1941020
E94とRh1020の差異は上記事項の他に、外見的に大きく印象の違う箇所があります。
それは運転台上の屋根です。E94は比較的早い段階からヒサシが延長されました。(画像手前)


1995年まで50年間という本家@E94よりも長い間使用されたRh1020。。。
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FLEISCHMANN 739409 ÖBB Rh1020〔1020 38-4〕Ep5
緑豊かなオーストリア@チロル地方にめっちゃ映える ブラットオレンジ〔Blutorange〕言う一見物騒なネーミングの鮮やかな朱色!このカラーチョイスはなかなか素晴らしい♪

しかし、Rh1020@全機がブラッドオレンジを纏ったワケではありませんでした。
1020g
左:FLEISCHMANN #739409 ÖBB Rh1020〔1020 38-4〕Ep5  
右:FLEISCHMANN #739409 ÖBB Rh1020〔1020.042-6〕Ep4
各Rh化工事済みなのにカラーリングは緑系@旧色だったり、カタツムリ@ÖBBマークの大きさや掲示位置の差異などバリエーション豊富♪

個性豊かなRh1020の中、オーストリアがRh1020として生産した最終機〔1020.47〕は最後まで前面3枚窓+緑系色@旧色で過ごしました。
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FLEISCHMANN  #739405 ÖBB Rh1020〔1020.47〕 Ep5
そのクラッシクなスタイルを守り続けた〔1020.47〕は【ÖBB NostalgieLok】に指定され、ボンネット前面にÖBBの旧ロゴ・緑に黄色の細いラインを纏った姿に原型復元されました。
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モデルは復元後の姿を素晴らしい塗装とこだわりの部品構成で再現されています。
赤いナンバーと[AEG-UNION]製造銘板も鮮やかに印刷されています。
年代的に不釣り合いなパンタ台@縦形碍子(ガイシ)ですが、〔1020.47〕は登場時から縦形碍子となっています。


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登場から50年もの長きに渡りオーストリアの山男として貨客問わず活躍を続けたRh1020。
その信頼性からオーストリアでの人気が高く18・.42・44・47号機が動態保存されています。



ワニ集合@緑1
all

こんな感じのオイラ的〔ジャーマン・クロコダイル〕の飼育日誌でした。
あと数両気になるクロコもおりますが そこは一期一会の出会い次第かとおもわれ・・・(^^;
〔スイス・クロコダイル〕は飼いたいけど牽かせるモノが無いので当分は・・・ホントか???




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